国道163号線から京都府相楽郡笠置町飛鳥路地区へ行くルートに木津川を渡る「潜没橋」があります。この橋は地元では潜没橋と呼ばれ、世間一般では沈下橋や潜水橋などの呼称もあります。潜没橋とは河川の増水時に水面下に潜没してしまう為、このような名称になっているようです。特徴としては低い位置に架橋されることで橋長を短くすることができ、橋脚高も低くできることから建設コストが抑えられ、かつ構造も簡易であるため建設技術が発達していなかった頃に全国各地の主に山間部や過疎地などで作られていました。デメリットとしては増水時に橋が浸水してしまい通行不能になることや、少しの増水により橋梁本体に水流が当たり橋脚部の洗堀などの影響を受ける事です。今回当社が施工した工事は、長年の使用による経年劣化に対する長寿命化と河川洗堀による橋脚の補強工事です。歴史的景観も兼ね備えた潜没橋を長らく使用できる橋へと生まれ変わるお手伝いをさせていただきました。
地元に愛される潜没橋を蘇らせる。
現場代理人 : 甲斐 翼
潜没橋の橋梁修繕工事においては、その橋高が低いために常に河川水位の付近で作業する事が多く締切内に水が浸入して困難を極めました。少しの増水で橋が浸かるため大型土のうの設置方法にも工夫を凝らして耐えられるようにし、現場の保全につとめました。飛鳥路地区の人々の生活道路となっているため通行止めにすることが出来ず、一般車両を通行させながら通行人などの安全も確保しつつ作業を進めてまいりました。数年に渡って修繕されてきた潜没橋も全径間の工事が完成しこれからも地域の方々に愛される橋へと生まれ変わりました。
- 工事名
- 潜没橋橋梁維持修繕工事
- 発注者
- 笠置町
- 工事場所
- 京都府相楽郡笠置町地内
- 竣工
- 令和 3年 4月
- 工事概要
- 工事延長 L=30m
橋面防水工、PC橋支承工、伸縮継手工、表面被覆工、仮設工